現在、第二次ブームが来ているといっても過言ではない「将棋」。
今回は、最近将棋にはまった方がよく混乱する、
称号“永世”と“名誉”について、
どういうことだかわかりやすく解説していきます。
目次は
- 称号“永世”と“名誉”について
- “名誉王座”だけ特殊な理由
- 名人戦の称号と歴史
- 称号獲得条件
- 称号獲得者一覧
となっています。
このページの目次
称号“永世(えいせい)”と“名誉”について

よく、「永世○○」「名誉○○」といった呼び方をしますよね。
これは、大会などで圧倒的な強さを見せる棋士に、
「殿堂入り」という形で与えられる称号です。
例えば「竜王戦」という
将棋界最高の大会がありますが、
これで殿堂入りすると
「永世竜王」となるわけです。
殿堂入りという扱いですので、
当然ひとつでも持っているだけで
将棋界ではレジェンド扱いです。
それだけすごい称号なんですね。
この永世名誉称号は、
原則としてプロを引退してからあたえられるものだそうです。
なので、バリバリに第一線で活躍している
プロ棋士界のエースのような人などは、
称号は持ちながらも名乗りはしていないことが多いようです。
“名誉王座”だけ特殊
将棋界には“七大タイトル”と呼ばれる
7つの最高峰の大会があります。
将棋・タイトル戦の序列を知ろう
この七大タイトルには、
全て“殿堂入り称号”がありますが、
6つが“永世”であるのに対して、
タイトル「王座戦」だけ、称号が“名誉”です。
すなわち、王座戦だけ「名誉王座」という称号が与えられます。
王座戦だけ“名誉”称号となった理由は、
プロ囲碁界の7大タイトル戦のひとつにも「王座戦」があり、
囲碁での王座戦で既に“名誉王座”という称号があったため、
それになぞったと言われています。
名人戦の“永世”称号に伝統あり
名人戦での殿堂入り称号も、
他とはちょっと違う呼び方をする時があります。
名人戦では、過去に永世名人となった順番に
「○○世名人」と呼びます。
例えば、歴史上最初の永世名人には「一世名人」、
歴史上2人目の永世名人には「二世名人」という風です。
一世名人は、
なんと約400年前の1612年に
大橋宗桂という人物に与えられています。
大橋宗桂は、あの織田信長や徳川家康に仕えた人物です。
非常に歴史の長い称号ということがわかりますね。
ちなみに、この永世名人の称号に関しては、
十三世名人までは、いわゆる「棋士」という職が
家元制という、いわゆる世襲制でなれるものだったため、
現在の「プロ棋士」ような、
身分などの関係ない実力による職業ではなかったのです。
そのため、十四世名人の木村義雄名人からが、
実力による真の永世名人だとする声もあります。
称号獲得の条件
ここでは、将棋界七大タイトルの
殿堂入り称号獲得条件をまとめてみました。
称号 | 獲得条件 |
---|---|
永世竜王 | 連続5期 または通算7期 |
永世名人 | 通算5期 |
永世王位 | 連続5期 または通算10期 |
名誉王座 | 連続5期 または通算10期 |
永世棋王 | 連続5期 |
永世王将 | 通算10期 |
永世棋聖 | 通算5期 |
このように、どのタイトルも
少なくとも5年という年月を重ねないと
永世名誉称号は手に入れられません。
“永世”“名誉”称号獲得者
続いて、過去の永世名誉称号獲得者をまとめてみました。
称号 | 獲得者 |
---|---|
永世竜王 | 渡辺明 |
永世名人(実力制) | 木村義雄・大山康晴・中原誠・谷川浩二・森内俊之・羽生善治 |
永世王位 | 大山康晴・中原誠・羽生善治 |
名誉王座 | 中原誠・羽生善治 |
永世棋王 | 羽生善治 |
永世王将 | 大山康晴・羽生善治 |
永世棋聖 | 大山康晴・中原誠・米永邦雄・羽生善治・佐藤康光 |
このように、非常に少ないですよね。
永世名誉称号は本当に
一握りの人間しかなれない称号だということが、
お分かり頂けたかと思います。
その中でも、羽生善治さんは
永世竜王以外の全てのタイトルで称号を獲得しています。
近いうちに、
全ての称号で永世名誉称号を獲得した初の棋士
となるのではないでしょうか。
ちなみに、過去のタイトルホルダーを確認したい方は、
こちらのサイトがおすすめです。
タイトル獲得者が色分けされているので、
誰がどの称号をどれだけとっているかというのが
非常に分かりやすいです。
中でも、やはり1995年の羽生善治さんの
全7大タイトル(+おまけにNHK杯も)を
獲得しているさまは圧巻ですね。
横一列が全て羽生さん一色になっています。
いかがだったでしょうか
“永世”“名誉”称号が、どれだけすごいことかが
わかっていただけましたでしょうか。
これからは、永世名誉称号を見たら
「あ、この人はレジェンドなんだ」と
その人のすごさを感じてみてくださいね。
将棋がますます面白く感じられるようになるはずです。
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